「キングで勝負」

原題は「Finessing the King/キングを出し抜く」。原作では、前半の「キングを出し抜く」と後半の「The Gentleman Dressed in Newspaper/新聞紙の服を着た男」に分かれている。

【登場人物】
レディー・メリヴェール・・・殺された婦人
アーサー・メリヴェール卿・・・被害者の夫
ビンゴ・ヘイル大尉・・・メリヴェール卿の友人
新聞紙の服を着た男・・・???


【ストーリー】
タペンスは新聞に載っていた暗号めいた伝言文に目を留める。「キングをフィネスする必要あり」という言葉の意味を解明しようと、トミーと共に仮装パーティーに参加する。そして伝言文で示唆された店「スペードのエース」で殺人事件が起こった。ハートのクイーンに扮した女性がナイフで刺されているのをタペンスが発見し、女性は犯人の名前を告げて息絶える。
その翌日、マリオット警部が被害者の夫を連れて、2人の元を訪れる・・・

【鏡の国のアリス/紙の服を着た男】

ハートのクイーンの衣装をまとった女性と一緒にいた新聞紙の服の男を見て、タペンスは「新聞を着た紳士のエスコートなんて『不思議の国のアリス』じゃない」と言う。
また、容疑者のビンゴ・へイルは、自分の衣装は『不思議の国のアリス』の愛読者の家政婦が考えてくれたと証言する。
紙の服を着た男は、正確には続編の『鏡の国のアリス』に出てくる。

 

【シャーロック・ホームズとワトソン博士】

トミーとタペンスはシャーロック・ホームズとワトソン博士に扮して仮装パーティーに出掛ける。パーティーには気乗りしない様子のトミーだったが、タペンスが手配した衣装がホームズ&ワトソンと知ると急に乗り気になり、「僕は鳥打帽がよく似合う」とホームズになる気満々!フタをあけてみるとタペンスがパイプを手にしたホームズ、トミーが憮然とした表情で首から聴診器をぶら下げたワトソン博士に扮していた。

【原作との違い】

・ドラマでは、トミーとタペンスはホームズ&ワトソン博士のコンビに扮して仮装パーティに繰り出すが、原作ではアメリカの女流作家イザベル・オストランダーの生み出したティモシー・マッカーティーとその友人リオーダンの扮装をする。

・ビンゴの弁護士からの依頼で、トミーとタペンスがビンゴ本人から話を聴く場面があった(原作には無い)。また、ドラマでは凶器の短刀はビンゴの持ち物だが、原作では被害者本人の物だった。終盤の銃の使用も原作には無い演出だった。

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