ここ数年でかなり本棚の整理はしてきたのだが、どうしても捨てられないものの中に、1980年代中頃の「an・an(アンアン)」がある。

昔から女性誌はあまり買わなかったが、着物特集の時だけは特別に購入していた。
(もともとファッション誌よりも、映画雑誌や「サライ」系の雑誌の方が好きだった)

日本はバブルの時代、デザイナーズブランドの着物も全盛、眉毛も太いのが流行りだった頃である。
(この頃は小林麻美や石原真理子など、太眉美人が人気だった)
取り上げられている着物は、大正浪漫風の古典的な柄や渋い色合いのものも多く、今見ても素敵だと思う。デザインが普遍的なので、着物の美しさはすたれない。

ニューキモノといって、中森明菜が「DESIRE」(1986年)を歌った時に着ていたような着物ドレスも載っているが、こういう奇をてらったものは一過性だった。
大きな肩パッドが入っているところが、とっても’80s。
白、緑、ゴールドのKIMONOを3枚重ねで着てて、よくよく値段を見たら、それぞれ48,000円、38,000円、48,000円だって!

今も昔も女性誌のベースにあるコンセプトは、「いかに自分を綺麗に見せて、いい男をつかまえるか」だが、今のan・anはもっと肉食女子丸出し、可愛いけど品がなくなってる感じ。
それだけ女たちが強くなって本音を出せるようになったのか、慎みがなくなったのか・・・・ただ全体的に、今の方が安っぽく、子供っぽくなっているような感じがする。

私の憧れの究極の着物美人は、鏑木清方の「築地明石町」。
袖口からのぞく白い手には指輪もはめられていて、モダンです。
和服の似合う粋な年増になりたいと思っていたが、こればかりは日頃から着物に親しんでないとね・・・・・年増の部分だけ現実化しちゃってますわ、おほほほ。