最近の本は軽くなったと思う・・・・・
重量のことではなく、本の表紙のことである。


↑シャーロック・ホームズものの表紙3種。

左は2012年に新訳で出版されたもので、劇画調のイラストが使われている。
中央は1970年代の創元推理文庫版・・・・・こっちの方が断然読みごたえがありそうなイメージ。
右は短編集を網羅したハードカバーの原書で、ストランドマガジンに掲載された当時のイラスト入り。重厚で趣がある。

 


これは大好きな「霧越邸殺人事件」(左)。
閉ざされた瀟洒な洋館で起こる謎の連続殺人事件に相応しい装丁。
いかにもゴージャスで悲劇的な事件が起こりそうでしょう~
お屋敷の図面がたまらないな💛

2014年に出版された完全改訂版はこんな表紙(右)・・・・う~ん、軽い、軽過ぎるよ(涙)。
ヒロインはこんな漫画っぽい薄っぺらい美女じゃないんだようっ!!

 

若い読者層を意識してか、最近はこういった軽いテイストの表紙が多いが、なんだか中身まで薄い感じがしてしまい、返って読む気が失せてしまう。
もしかして読み応えがあるものを、表紙だけで敬遠してしまってることもあるかもしれないが。
(見た目はチャラい男が、付き合ってみたら意外とシッカリ者だったという感じでしょうか・・・)
反対に中身は薄いのに、パッケージがやたら良さそうなものもあるから難しい・・・

 

だけど昔の装丁でトラウマ必須な強烈系もあったからねぇ・・・・・

これは忘れもしない江戸川乱歩先生の「三角館の恐怖」

「ひぃぃぃぃ、短刀がぁぁぁ~~~~(怖!!)」

小学校高学年の時に手にしたが、表紙の絵にぶっ飛んでしまい内容は殆ど覚えていない。
講談社のこのシリーズ「少年版江戸川乱歩選集」と銘打ってあり、少年少女向けにリライトされてたみたいだけど、この表紙グロ過ぎ!!
今見ても怖い。

 

 

と言いつつ、せっかくだから、この際、他の表紙も紹介しちゃおう。
血、蟻、石膏像、縄、滑車、短刀、時計の文字盤、仮面、人形の首・・・・・
ホントに子供向けかよ?!(驚愕!)
グロさに加えてエロさもある・・・・昭和はまだまだ濃い時代だった。

ちなみにこの強烈なイラストを描いたのは、「スターウォーズ」旧3部作のポスターや「幻魔大戦」の表紙で有名な生頼範義先生。
犬と女のハダカを描かせたら右に出るものはいないという。