マガジンハウスの「ブルータス」創刊第2号。(1980年)
「親爺たちの時代」というタイトルで、昭和初期のモダンライフを紹介している。
私はアールデコやモボ・モガの時代のものに強く惹かれるので、この1冊だけずっと持っている。

この年に、映画「ツィゴイネルワイゼン」が公開されているが、その映画の世界そのままのページが掲載されている。
男のファッション紹介のページのために、わざわざ撮り下ろしているのだ。

映画のスチール写真を撮った荒木経惟が撮影を担当。
監督の鈴木清順が脚本と演出。
モデルというか出演は、映画の主役二人、藤田敏八と原田芳雄。
照明は「ツィゴイネルワイゼン」を担当した大西美津男、撮影場所は箱根の富士屋ホテルという豪華さ。

荒木経惟の編集後記によると、スタッフ19名の撮影は、まるで映画だったそうである。
「アバンギャルドな鈴木清順の演出なら従える」
と、一度断った依頼を、二度目の依頼で引き受けたらしい。
なんて贅沢な企画だったんだろう。

この号のコンセプトは「男のダンディズム」
ダンディズムという言葉、今はもうあまり聞かないような・・・・男の美意識、プライド、そしてちょっとのやせ我慢。
頑張っている男たちは愛しいものである。