「砂の惑星」(1984年/デヴィッド・リンチ版)を公開以来久しぶりに見た。当時、鳴り物入りで公開されたわりには「なんだかな――」という印象だったが、今やカルト的に偏愛されている伝説の映画の一つになっている。

ストーリーの展開はカイル・マクラクランが演じる主人公のモノローグで説明される部分が多く、盛り上がりに欠ける。当時おそらくスティング目当てで見に行ったと思うが、彼の見せ場も少なく、敵方のハルコネン男爵の気色悪い容貌が一番強烈に印象に残っていた。この映画はリンチ監督に編集の最終決定権が無かったらしく、彼にとっては甚だ不本意な出来だっただろう。

何故今になって見たかというと、ドゥニ・ヴィルヌーヴ版に触発されたわけではなく、「フランチェスカ・アニス」見たさである。

フランチェスカ・アニスは主人公ポール・アトレイデスの母レディ・ジェシカを演じている。あまり知られていないが、ご覧のようにとても美しい英国の女優さん。

 

この微妙な髪型、美人じゃないとお笑いになっちゃう。

 

フランチェスカ・アニスはアガサ・クリスティー原作のTVドラマ「おしどり探偵/二人で探偵を」(1983~1984年)で、ジェームズ・ワーウィックと共にコミカルな演技を披露している。このシリーズが大好きなので、先々このサイトで紹介していく予定。
「砂の惑星」とは全く異なったイメージで、同じ女優さんとは最初気づかなかった。

 

この写真に写っているのは、ロイヤル・シェークスピア・カンパニーの「ロミオ&ジュリエット」で共演したイアン・マッケラン(若い!)と監督のトレバー・ナン。(1976年)

 

素顔の彼女はナチュラルな感じだが、役に扮すると別人のようにゴージャスになる。

 

「おしどり探偵/二人で探偵を」では、彼女が身にまとう1920~30年代のファッションも見もの。

 


「Lynch’s DUNE The ultimate workprint」
リンチ版「砂の惑星/デューン」究極試写版
未公開シーンを入れて本来のリンチの構想に近づけた長尺版。